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2013.10.12 (土)

「 五輪招致交渉の強固な相手は宮内庁と『朝日新聞』だった 」

『週刊ダイヤモンド』   2013年10月12日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1005

9月26日、私の出演しているインターネットテレビ番組に下村博文文部科学大臣を招き、オリンピック・パラリンピック招致の苦労話などを聞いた。招致の成功は日本が、ご皇室、首相、選手を含む「オール・ジャパン」の総力戦で臨んだ成果だった。その中で、気にかかったのが宮内庁の対応であり、「朝日新聞」の社説だった。両者共に高円宮妃久子さまがブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席なさることへの反対論を展開した。

下村氏によると、IOC総会へのご皇室の方々のご出席を宮内庁に要請すると、2つの理由で断られたという。招致活動への参加は政治利用である、勝負事に関わらせることは出来ないという説明だったそうだ。

「両方とも違っていると思います」と氏は次のように語る。

「3月にIOCの評価委員一行が来日したとき、形の上ではオリンピックに関わることではなかったが、皇太子さまがまずお会いになった。迎賓館での晩餐会には久子さまも出席なさった。当初宮内庁はこれにも反対したが、東京五輪50年を祝う会も兼ねる形でおいでいただいたのです。なぜそこまで苦労してご参加いただいたかといえば、欧州諸国の王室の方々多数がIOC委員に就任しているからです。ご皇室には長く深い伝統、文化、歴史がありますから、彼らの日本のご皇室への憧れはとても強いのです」

久子さまとの会話はIOC委員らに強い印象を与え、お会いしていただいたことが日本への理解を確実に深めたと下村氏は語る。サッカー協会の名誉総裁でもある久子さまには、スポーツを通して旧知の王室の方々も少なからずおられた。こうした実績から、五輪招致に貢献していただくには久子さまはベストに近い方と、下村氏ら日本政府が考えたのは自然なことだろう。

下村氏らは宮内庁のメンツも立てながら、五輪招致の成功を願って、ご皇室においでいただけるよう知恵を絞った。詳細は言論テレビの動画を見てくださればと思うが、結論からいえば宮内庁は故三笠宮寬仁さまのご長女、彬子さまのご出席を決めた。

「彬子さまも本当に素晴らしかったのですが、以前からのつながりで考えれば久子さまも欠かせないと思い、宮内庁との交渉を続けました」と下村氏。

こうして久子さまの出席が決まったことについて、風岡典之宮内庁長官は9月2日、「苦渋の決断」と述べ、4日には「朝日」は「五輪と皇族 巻き込んでいいのか」と題する社説で、招致の成否が「政権の評価に影響する」、だからこそ、招致活動に皇族は協力してこなかったと主張した。4月28日の主権回復式典に天皇皇后両陛下が出席なさったことについても「政治目的で利用との指摘があった」と批判した。

おかしな批判だ。日本の主権回復は日本全体の喜びである。それを記念する式典へのご出席は、日本国の元首として当然であろうに。

招致交渉の最も強固な相手は他国の候補都市やIOC委員よりも主として宮内庁と「朝日」だったということだ。

久子さまの仏英両言語によるスピーチは9月8日未明に中継された。山本信一郎宮内庁次長は、両陛下がそれを未明のテレビでご覧になり、「開催決定を大変にお喜びになっていた」ことを会見で明らかにした。

宮内庁がご皇室を守ろうとしていることはわかる。しかし、ご皇室を守る手立てであれば、五輪招致活動を「勝負事」として退けることより、もっと他にすべきことがあるのではないか。

まず、ご高齢の両陛下の地方視察を含むご公務の軽減である。またもう一つ大事なことは皇太子妃雅子さまのご病気の診断と治療を長年一人の医師に任せきりにし、その実態が不明であるという異常な状況を、根本から改善することではないか。

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「 五輪招致交渉の強固な相手は宮内庁と『朝日新聞』だった 」

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